魚の締め方

「自分で釣った魚は臭くないから旨い。」「身がプリプリしてる」とか自分で釣った魚は格別です。でも、
釣ったままではスーパーで買ったのも同じです。従来、釣った魚はバケツに入れて、その後、アイスボックスに
まとめて入れ、家に持ち帰っていましたが、年々、アジの場合は喉のところを切って血抜きをしてから持ち帰ったり、
サバの場合も血抜きをしたり、また大きな魚、たとえば、マダイやイナダ、ワラサ等も船上で活き締めしてから
皆さん持ち帰っています。でも、魚は締めるだけで、良いのかな。ちょっと考えて見ましょう。
                                                 

アジの締め方と持ち帰り方

アジは釣ってから、そのまま、バケツに入れておくと、口をパカッと空けて、死んでしまいます。見るからに
不味そうになってしまいます。釣れたアジは喉のところをハサミでちょっと切ると、血が出てきますので、そのまま
再度バケツに入れ、暫くしてから、アイスボックスに入れて下さい。帰宅後、血抜きをしたアジは3枚卸しにしても
全く血が付いていませんが、血抜きをしていないアジは3枚に卸すと中骨のところにたっぷり血が付いています。
料理する場合もまな板が汚れないし、楽ですね。また、従来は血抜きをして、海水を入れた氷水にそのまま
入れていましたが、浸透圧の関係からか、2、3日すると身が柔らかくなってしまいます(水っぽくなる)。このところ
お客様に頼んで、朝、氷をクラッシュにしてから、アイスボックスに入れ、海水は入れずに、釣れたアジはちょっと
厚めのビニールに入れ、締めたアジを海水に漬けずに持ち帰って頂いております。その日のプリプリ感は同じか、
ちょっと固め、でも、そのプリプリ感が2〜3日間変わらずに食べられると好評です。三喜丸では氷は1個付いていますが、
自宅からペットポトルに水を入れ、凍らせて持ってくるか、もしくは、追加で氷を1個追加した方が良いかな。一度お試し下さい。

サバの締め方と持ち帰り方

サバはやはり、エラを取ったり、首を折ったりして氷水に入れていましたが。水産業者の方はけっして締めずに、
氷水にいれてそのまま出荷します。三喜丸ではいろいろ試してみましたが、活き締めにして氷水に入れると、身が割れて、
三枚に卸した時にガックリしてしまいます。一度、氷たっぷりの海水に釣れたてのサバを瞬時に入れて氷締めにして下さい。
三枚に卸した時にまな板は血で汚れますが、身割れはしていません。絶対、エラを取って締めたい方は、締めた後に必ず
ビニール袋に入れてお持ち帰り下さい。脂の乗った美味しいサバは〆サバや刺身で最高です。一度お試し下さい。

マダイ、イナダ、ワラサの締め方と持ち帰り方

「イナダ、ワラサを釣って家に持ち帰ったら、生臭くて美味しくなかった」。こんな言葉をお客様から聞きますが
青物の場合は充分締めないと、臭い場合があります。ちゃんとした締め方をすると「全く、別物みたい」と
嬉しいお言葉を頂きますが、そうならない為に大型魚の場合は正確な締め方を勉強しましょう。
大型魚を締め方ですが、締めるという事は魚の延髄を断ち切り、脳から体への硬直信号をストップする
ことです。通常はナイフでエラの付け根と尾びれの付け根を切ります。小型の場合はエラの付け根だけで
充分ですが、大型のワラサの場合などは両方切った方がベストです。また、プロの方は延髄を切ったあとに
延髄にワイヤー、またはピアノ線を通したりしますが、釣り人の場合はそこまでする必要は無いでしょう。
ただ、締めたあと、血はすぐに固まってしまうので、海水の中で血抜きをするとスムーズに出来ます。
また、その後、締めた魚は熱を持ちますので、たっぷりの氷で充分冷やして下さい。大型魚の場合、
魚の重量と同じ量の氷で冷やせというくらい氷が必要です。また、アジの場合と同じように、浸透圧の関係
からビニール袋に入れて冷やしたりした方が良いですね。